庭というと、芝生に覆われていたり、樹木が植わっていたり、花壇があったり…。
コンクリートの庭は、イメージがしにくいかもしれません。
コンクリートで庭は出来るのか、メリットとデメリットについて見ていきたいと思います。
〇コラム最新記事はこちら→外構にみる擁壁のひび割れ、放置するとどうなる?
コンクリートとは
コンクリートは、セメント・水・砂・砂利でできた建材です。
耐久性や耐火性が高いこともあり、コンクリート塀やコンクリート舗装として、外構でもよく使用されています。
庭をコンクリートにした時のメリット
除草処理が不要になり、雑草対策や虫対策としても有効
コンクリートは、土の上に砂利や砕石を敷き、セメントペーストを流し込むため、表面が土ではありません。
たとえ種が飛んできたとしても雑草が生い茂ることがなく、施工したままの状態を比較的長く保つことができます。
掃除がしやすく、定期的な洗浄で、より長く綺麗な状態を保つことが出来る
コンクリートの表面は平らなので、ほうきなどで楽に掃くことができます。
汚れが気になる場合は、デッキブラシを使ったりすることもできます。
経年の汚れも高圧洗浄機で、比較的簡単に綺麗になります。
塗装を施せば汚れもつきにくくなり、さらにメンテナンスが楽
手間や費用はかかりますが、コンクリート塗装をすることで、綺麗な状態が続きます。
強度を高め、劣化を防ぐ効果もあるのでお勧めです。ひび割れの補修にも塗装は行われます。
コンクリートは耐久性が高く、車の乗り入れも可能
駐車場の舗装には、コンクリートが使われることが多く、その耐久性はお墨付き。
庭をコンクリートにすることで、より広いスペースを確保することが可能です。
地面がぬかるむことがないので、通行にも安全で、家周りや玄関が土で汚れることもない
土の場合、雨が降って足元が悪くなることがありますが、コンクリートの場合、そんな心配は要りません。
泥はねすることもないので、建物基礎や靴が汚れる心配もありません。
思い通りのガーデンになる
鉢やコンテナを置いて樹木や草花を楽しんだり、野菜や果樹を育てたりすることもできます。
また、タイルを貼ったり人工芝を敷いたり、ガーデンファニチャーを設置して、自分好みの庭にすることも可能です。
庭をコンクリートにした時のデメリット
照り返しが厳しく、夏は暑さを感じやすい
コンクリートには熱を吸収する蓄熱効果があり、色の白さが照り返しをきつくさせます。
日差しの強い夏には、蓄えた熱と日光の反射で、より暑く眩しく感じられます。
そんな時には、打ち水がお勧めです。水を撒くことで地熱を下げるだけでなく、水が蒸発するときに熱を奪う気化熱の効果があります。
コンクリートも灰色味を帯びるので、照り返しが和らぐことが期待できます。
また、植栽スペースを設けて樹木を植えたり、タープやオーニングを活用して日陰をつくるのも良いでしょう。
ガーデニングができず、季節の変化が楽しめない
リビングから庭の緑や花々を眺めたり、庭で作った季節の野菜や果物を楽しんだりすることに憧れを持つ方は多いと思います。
コンクリート地面では、植物は育ちません。
そんな時には、鉢物やコンテナを利用してみましょう。
植栽面積は限られてしまうかもしれませんが、好きな場所に移動して、緑や畑を楽しむこともできます。
また、全面コンクリートにするのではなく、植栽スペースを設けたり、土の部分を残すようなプランを立てることも考えてみましょう。
ただ植物の生育に影響を及ぼすこともあるので、その時は専門の業者に相談してみて下さい。
無機質な印象がある
近代的で画一的なイメージのあるコンクリート。個性が出しにくいとも言えます。
そんな時には、コンクリートの上に鉢やコンテナを置くことをお勧めします。
シンボルツリーを置いたり、季節の花々を寄せ植えにしても素敵です。ベランダで野菜作りを楽しむように、庭で楽しむことができます。
ガーデンテーブル・ガーデンチェアを置いたり、タイルや人工芝の利用など、お気に入りのエクステリアになるはずです。
コンクリートは耐火性にも優れており、バーベキューを楽しむこともできます。
庭をコンクリートにする時に気をつけたいこと
排水に考慮
水はけの悪い状態にしておくと、ぬめりやカビの原因となり、見た目も汚くなりますし、安全性も損なわれます。
降雨だけでなく、高圧洗浄や打ち水など、コンクリートの上で水を使う場面が出てくるかと思います。
勾配や排水設備をつけるなど、水はけの良い設計にすることが大切です。
施工場所によっては施工費用がかかる
庭が道路面からの高低差があったり、道路からの距離が長い場合には、ポンプ車などの特殊車両が必要になったりする場合があるため、注意が必要です。
専門の業者に相談して、現場確認してもらいましょう。
土に戻すのが難しく、解体撤去費用がかかる
コンクリートの庭をすぐに土の状態に戻すことは出来ません。掘削もしているでしょうし、鉄筋を入れているかもしれません。またコンクリートの解体撤去には、費用が多くかかります。工事費や人件費の他に処分費をみなくてはならないからです。
コンクリート庭 施工事例
実際に施工したコンクリート庭をご紹介します。
バスケットボールの出来る庭
自宅でバスケットボールをしたいとのご希望で、コンクリート庭を造りました。
全体に貼ってあった人工芝を剥がし、コンクリート土間を打ちました。
シンボルツリーであるハナミズキは残しています。
玄関奥の広々としたコンクリート庭
駐車場脇の階段を上がった先が玄関ですが、その奥にコンクリートの庭が広がります。
少しの植栽を取り入れつつ、ローメンテナンスの庭を造りました。
立水栓を備え、照り返し対策もしています。
まとめ
コンクリートは優れた建材であり、庭をコンクリートにすることも可能です。
コンクリートには、高耐久でお手入れしやすいといったメリットがある反面、照り返しが強く費用面が心配といったデメリットが考えられます。
メリットにデメリットはつきもの。ただ、デメリットをメリットに変えることもできます。優先順位や計画性を持つことで解決法もあるはずです。
メリットとデメリット、どちらも考慮して、庭づくりを楽しみましょう。
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この記事の監修は…
株式会社心エクステリアデザインの営業および設計担当きよです。 植物と樹木造形に惹かれ、植木職人として研鑽を積んだのち、エクステリア業界に参入。
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この記事の執筆は…
株式会社心エクステリアデザインの事務およびウェブ担当ともです。 昨年、マイホームを新築。
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