新築外構工事の相場
新築の場合、外構工事の費用相場の目安は、建物の建設工事費の10%ほどと言われています。
一般的には、100万円~300万円ほどを使って外構工事を一式として行う方が多いようです。
ただ、外構工事は土地の広さや工事内容、デザインや使用する建材によって、かかる費用が変わってきます。
弊社の施工では、数万円~1000万円超の実績があります。
つまり、どこにどんな工事をするのか、何を使うのかによって、コストが大きく変動するのです。
あくまで「建物の建築費用の10%」は目安と考え、費用相場を把握し、生活の満足度を高めるために、どこにどんな外構工事が必要かを見極めることが大切です。
外構工事を左右するのは、外構のタイプ・外構施工場所・施工箇所です。
外構のタイプとは?
外構デザインは、クローズド外構、オープン外構、セミクローズド外構、と大きく3つのタイプに分けられます。
コストがかかる順番としては、一般的に、①クローズド外構、②セミクローズド外構、③オープン外構となります。
それぞれ見ていきましょう。
クローズド外構
クローズド外構とは、門やフェンス、ブロック塀や生垣などによって住宅の敷地を囲ったデザインのことです。
住宅と道路の境界が明確に分かる外構です。
敷地内が見えづらい設計となっているため、プライバシーを確保できることがメリットです。
また、周囲が囲まれて中に入りづらい設計となっているため、防犯性が高いというメリットもあります。
ただし、家の周囲を塀や生垣で囲うため、その分だけ外構工事の費用が高くなる傾向にあることがデメリットです。
また、プライバシーの保護に役立つ反面、不審者が侵入した場合には、逆に目立たなくなってしまうというデメリットがあります。
オープン外構
住宅の敷地内に塀や門などがなく、開放的なエクステリアデザインのことをオープン外構といいます。
オープン外構の最大のメリットは、開放的で狭い土地でも広々と感じることです。
また、塀や生垣などの外構物を多く設置しない分、外構工事の費用が安く抑えられることもメリットの1つです。
さらに、周囲に障害物がなく、外部からの侵入者が隠れる場所がないため、防犯性が高いという一面もあります。
ただし、塀や生垣などの周囲からの視線を遮る障害物がないため、外から敷地内の様子が見えすぎて気になってしまうというデメリットがあります。そのため、玄関ドアの位置に配慮したり、植物を適度に取り入れたりなどの工夫が必要です。
セミクローズド外構
クローズド外構とオープン外構の2つの要素を組み合わせたのがセミクローズド外構です。
塀やフェンスで完全に敷地内を囲うのではなく、必要な場所のみに設置したり、低めの塀やフェンスを使用したりするデザインです。
プライバシーを保護しながらも、門まわりを低くして開放感を演出しているため、防犯性も高く、人気が高まっています。
ただし、しっかり設計が行われていないと、植栽やフェンスで目隠しを作ったはずなのに外から見えてしまう、位置が悪くて開放感がない、死角が生まれてしまうなどのデメリットが発生してしまう可能性があります。
外構施工場所
新築の立地には、様々な条件が重なっています。
土地の面積、形状、高低差、状態などです。
外構施工面積は、敷地面積から建築面積を差し引いた面積のことです。
一般的に、外構施工面積が広くなればなるほど外構費用は高くなる傾向があります。
そして、土地に高低差がある場合には、擁壁や階段を造る必要があり、費用が多くかかることが想定されます。
また、施工現場やその近くまでトラックや重機が入らなかったりすると、材料の運搬や施工を人力のみで行わなくてはなりません。
その場合は人件費が多くかかってくることも考えられます。
ご購入された土地、お持ちになった土地が更地とは限りません。造成工事や解体工事が必要な場合も出てくる可能性があります。
施工面積が広ければ外構費用が高くなる傾向にあることは確かですが、立地には、面積以外の要素があることも知っておいた方が良いでしょう。
施工箇所
外構工事の施工箇所は大まかに5ヶ所に分類されます。
エントランス、玄関アプローチ、境界や外周、ガレージ、庭です。
お住まいの立地により、必要な箇所、不必要な箇所があります。
また、人により優先順位が変わってくる場合もあるでしょう。
工事箇所が多ければ、その分費用もかかります。
エントランス
住まいの顔ともいえる場所です。
門扉、門柱、袖壁、表札、ポスト、宅配ボックス、インターホン、照明、植栽、防犯カメラなど
玄関アプローチ
エントランスから玄関扉までの導線が玄関アプローチです。
床舗装、手すり、照明など
境界、外周
外構では隣地境界が重視されます。
塀、フェンス、床舗装など
ガレージ
駐車場・駐輪場は安心安全が求められる場所でもあります。
駐車・駐輪スペース床面、カーゲート、カーポート、サイクルポート、車止め、物置、照明、防犯カメラなど
庭
庭となるスペースは、趣味嗜好が生かせる場所でもあります。
テラス、ウッドデッキ、花壇、植栽、水栓、水受け、照明など
外構工事の施工箇所別費用相場
施工箇所別にどのくらいの費用がかかるのか、それぞれにご紹介します。
弊社の施工の平均値を目安としております。
ただし、施工費用は施工のボリュームによって変動します。
あくまで一例であり、参考としていただくのがよろしいかと思います。
エントランス/15~30万円
エントランスとして含むのは、門扉、門柱、袖壁、表札、ポストなどで、まとめて工事することが多く、選ぶ素材にもよりますが、15〜30万円程度が相場です。
表札・ポスト・インターホン・照明などをひとつにした機能門柱は、省スペースで比較的コストもかからず、使い勝手のよいアイテムです。
外部から一番見られる場所です。使いやすさや防犯性、デザイン性も確認しましょう。
玄関アプローチ/30~60万円
エントランスから玄関までを歩きやすくする舗装工事で、1㎡あたりの金額で計算する場合が多く、総額30~60万円程度が相場です。
天然石、平板、砂利、タイルなど素材は様々です。
毎日使う場所です。デザインだけでなく安全面も大切です。
照明/20万円
エントランスやアプローチに照明を設置する場合は、約20万円前後が相場です。
照明は、防犯や安全に役立つだけでなく、ライトアップなど景観づくりとしても活躍します。
どんな照明をいくつ設置するかによって、費用は変わってきます。
境界や外周のフェンス/30~60万円
境界を明確にするフェンスは、目隠しや防犯対策としても設置されます。
素材やデザインの選択肢が多く、費用も異なります。
距離が長ければ、その分費用もかかります。
境界や外周の塀/100万円前後
敷地内に塀を造る場合には、面積や全長、使用素材や工法により、費用が異なります。
コンクリートブロックを積み上げる、レンガや化粧ブロックを積み上げる、型枠にコンクリートを流し込んで成形するなどの工法があります。
一般的には、フェンスを設置するよりも高額になります。
駐車場・カーポート/40~100万円
駐車場、車1台分を目安として土間コンクリート打ちする場合は、20万円ほどのコストがかかります。
カーポートは柱と屋根で構成されるものですが、合計で40~100万円程度と考えられます。
車の台数が多かったり、広いスペースを駐車場とする場合は、その分コストが上がります。
庭/5万~100万円
庭の広さや施行内容によって、かかる費用は大きく変わります。
一度にお金をかけるのではなく、メンテナンスも考慮しながら、少しずつ手を加えていくことも楽しみになるかもしれません。
テラス・ウッドデッキ/40~50万円
テラスやウッドデッキは、リビングと庭を繋ぐ部分として設置されることが多く、広さにもよりますが、40~50万円の費用がかかります。
趣味を生かして、バーベキューやガーデニングを楽しんだり、プレイスペースとして活用することができます。
植栽/5~10万円
シンボルツリーを採用したり、一般家庭の庭で行う植栽は、5~10万円程度のことが多いようです。
生け垣をつくったり、多くの樹木・大きな樹木を植える場合には、コストが上がります。
まとめ
新築外構の工事費用についてみて参りました。
工事費用を左右するのは、①外構のタイプ②面積や土地の条件③どこにどんな施工をするかの3つです。
外構工事はオーダーメイドです。
ご自身のお住まいに何が必要か、どんな生活を思い描くのかを明確にすることが大切です。
どのくらいの予算が必要なのか、予算内で出来ることは何かを見極め、理想のエクステリアを手に入れましょう。
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この記事の監修は…
株式会社心エクステリアデザインの営業および設計担当きよです。 植物と樹木造形に惹かれ、植木職人として研鑽を積んだのち、エクステリア業界に参入。
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この記事の執筆は…
株式会社心エクステリアデザインの事務およびウェブ担当ともです。 昨年、マイホームを新築。
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