お住まいのエクステリアを考えた時、重要なエリアのひとつが玄関アプローチです。
パブリックスペースとプライベートスペースの狭間にあり、道行く人の目に触れ、外出時にも帰宅時にも通る場所です。
ご近所や住宅街を歩く時、何気なく目にしている場所かと思います。
ご自身のエクステリアでも、個性を出しつつ、安全性に配慮し、機能性を高めることで、お気に入りの空間となることでしょう。
玄関アプローチとは何なのか、どのような可能性があるのか、見ていきましょう。
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玄関アプローチとは
道路面から玄関までの場所を玄関アプローチと呼びます。
そこは、長い通路であったり、高低差があったり、広場的な空間であったり、土地の形状や建物の配置などによって異なります。
パブリックスペースとプライベートスペースを繋ぐ部分のため、門扉・表札・インターホン・ポスト・照明・防犯カメラ・目隠しなど必要となるアイテムがあります。
また、通路としての機能を果たす面もあることから、舗装がとても重要です。
舗装には、敷石、砂利、枕木、レンガ、タイル、コンクリート、人工芝、洗い出し、インターロッキングなど、多くの可能性を見出すことができます。
玄関アプローチと玄関ポーチ
玄関アプローチと似た言葉に玄関ポーチがあります。
玄関ポーチは、玄関扉の前の部分で、多くが屋根や庇に覆われています。
雨風や日差しをさえぎり、人の出入りをスムーズにします。
建築面積に含まれ、建物の一部とされる部分です。
一方、玄関アプローチは、玄関ポーチを含む門扉や道路までの部分です。
通路や目隠しの役割を果たすことが多くあります。
デザインや色味、素材の選択などにより、建物の印象を大きく左右する部分です。
玄関アプローチの舗装
通路としての役割がある玄関アプローチですが、舗装材として、多くの選択肢があります。
お住まいの印象を左右する部分とも言えるので、面積、用途、好みなどバランスを考えて選択すると良いでしょう。
また、いくつかを組み合わせることにより、デザイン性が高くなる可能性もあります。
敷石
御影石や石英岩などが多く使われ、風合いや経年変化が楽しめます。
種類が多く、高級感のあるものもあり、和風洋風を問わずに合わせることができます。
石質にもよりますが、濡れるとすべりやすくなるものもあります.
砂利
主に化粧砂利と呼ばれる綺麗な砂利が使われます。
色味も様々で、他の素材との組み合わせとしても相性のいい素材です。
歩きづらい面もあるので、敷石や平板の周りに使うのがお勧めです。
砂利は歩けば音がしますので、防犯対策に使用することもできます。
ただ比較的価格が高いので、面積が大きいとコストがかさんでしまいます。
枕木
線路に使われる枕木ですが、エクステリア素材としても出回っています。
デザインによっても印象が変わるので、個性を出したい人に人気です。
天然素材と人工素材のものがあり、天然素材は腐りますので、数年での交換が必要となります。
人工素材でコンクリート二次製品の場合は、重いので施工性に問題が生じる場合があります。
レンガ
ナチュラルな雰囲気を持つレンガは風合いも楽しめます。
花壇の土留めなどポイントとして使用することも出来ます。
目地をモルタルでつなぐ場合は白華が起きることもありますので、注意が必要です。
タイル
質感や色味など種類が豊富ですので、好みのものを選ぶことが可能で、洗練されたスタイリッシュな印象になります。
アプローチには、外床用の滑りにくいタイルが適しています。
見栄えはしますが、材料と貼り手間で、費用は高くなる傾向にあります。
コンクリート
シンプルなイメージで、コンクリート平板の利用も可能です。
特に駐車場兼用のアプローチにはコンクリートが向いています。
酸性雨などの影響を受けやすく、汚れやカビが発生する場合があり、定期的な洗浄が必要です。
人工芝
自然な緑の発色が好まれ、天然芝よりも手入れがしやすいのが特徴です。
柔らかく、踏んで気持ちの良いものもありますが、やはり踏みつけるとへたるので、舗装材として使用するよりも他の素材と組み合わせることをお勧めします。
洗い出し
砂利が表面に露出しており、個性的なのが特徴です。
滑りにくく、歩きやすいと言われており、車が乗ってもタイヤ痕が残りにくい舗装です。
ただ施工が難しく、費用がかかることは知っておいた方がいいでしょう。
インターロッキング
コンクリートブロックをレンガのようにかみ合わせた舗装材でモダンな印象です。
広い範囲の施工には向いていますが、隙間から雑草が生えてくることがあります。
おすすめ玄関アプローチのデザイン
玄関アプローチの広さは様々です。
長い通路のようであったり、駐車場を兼ねていたり、機能的なスペースであったり…形状が同じということもありません。
そのため、ご予算やご希望に合わせて、プランニングすることが必要です。
完全オーダーメイドと言っても過言ではありません。
だからこそ、機能的で使いやすく、安心安全でお気に入りの空間にしたいもの。
知っておくと役に立つ、玄関アプローチをデザインするためのポイントをいくつか紹介したいと思います。
曲線やクランクの利用
道路面の出入り口と玄関を直線で結ばないこと。
目隠しが生まれ、玄関扉を開けた時にも家の中が見られることがなく、また通行されている方と目が合うこともありません。
パブリックスペースとプライベートスペースを結ぶ場所だからこそ、気を遣いたいところです。
程よく作られた空間には、植栽や照明設置の場所が生まれます。
植栽の工夫
植栽を活用することで、癒しの空間を作りだすことができます。
門袖壁まわり、あるいは玄関ポーチ近くに植栽枡を作ってシンボルツリーを植えるのはいかがでしょうか。
また通路脇に花壇を作って、園芸を楽しむこともできます。
花の開花や結実を愛でたり、香りに癒されたりします。
植物の生長や季節の移ろいを感じるのは、嬉しいものです。
ライティングの工夫
玄関アプローチには照明を取り入れましょう。
暗くなってからの外出や帰宅のための必須アイテムであることはもちろんのこと、幻想的な雰囲気を創り出し、住まいを引き立ててくれることでしょう。
照度センサーや人感センサーで点灯消灯するライトの使用は、防犯対策・安全対策としてもおすすめです。
まとめ
玄関アプローチは、パブリックスペースとプライベートスペースを繋ぐ場所です。
通路としての役割が大きくはありますが、外から見える場所でもあるので、住まいの印象を大きく左右します。
安心安全を確保しつつ、個性を生かした玄関アプローチにするためには、プランニングが大切です。
可能性を探り、唯一無二のお気に入りの住まいを手に入れましょう。
ご相談は、弊社でも承っております。
お気軽にご連絡下さい。
この記事の監修は…
株式会社心エクステリアデザインの営業および設計担当きよです。 植物と樹木造形に惹かれ、植木職人として研鑽を積んだのち、エクステリア業界に参入。
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この記事の執筆は…
株式会社心エクステリアデザインの事務およびウェブ担当ともです。 昨年、マイホームを新築。
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