外構業界は「設計力」が課題

 

住まいに関する構造物を構築するという点で、当然に「建物」だけでなく「外構」にも構造の強度や耐久性を考慮する必要があります。

例えば、暴風や地震に耐える塀の厚みと基礎深さ、鉄筋の配筋、
人の通行や駐車の重量に長年耐える土間コンクリートの厚みなど。

しかし、建物建築の業界では構造計算などを行う「設計」のプロが必ず介在するにもかかわらず、外構づくりの業界では、建物と比べると「設計」が手薄というのが実情です。

外構業界の大局的な生い立ちとして、大手建築資材メーカーが外構製品のラインナップを強化したことにともない、ブロック屋、左官屋、タイル屋といった専門工事業者がその販売チャネルとして発展してきたという経緯があります。

したがって、業界構成として、外構製品の「販売」と「施工」のプロが多数存在しているが(「販工店」と呼ばれます)、必ずしもそのすべてが十分な「設計」力を備えているとは限らないという状況にあります。

見てわかる表面がきれいに仕上がっていたとしても、構造的な問題は、お客様が見てわかるものではないことが多いため、ここをいかにしっかりとつくるかは業者側の自覚にかかってくるところですが、業者自身にも知識が不足していては、意図せず「手抜き」的な工事となってしまう可能性があります。

このようなリスクを懸念される場合は、設計の専門性を有するスタッフを抱えて質の高いプラン・施工管理をする業者を選ぶことが無難です。